今年は粘る はざまいちじく シーズン概要と来年への影響

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8月に2週間も続いた長雨からスタート

今年は8月上旬の台風からの下旬まで続いた長雨により大ダメージを受けたイチジクの樹もあり、スタートが1週間ほど遅れたシーズンでした。

その後8月末からは一転少雨となり、それまでの悪天候を持ちこたえたイチジクは甘さを凝縮した実をたくさんならせてくれました。

9月好天により持ち直した後、10月初頭に低温に見舞われる

さて、8月末からの少雨により持ち直した今年の羽間産イチジクですが、10月上旬にまたまた試練が!

今度は季節外れの低温に見舞われ(最低気温ひと桁)、実の成熟が途端に遅くなり10月の中~下旬は収量がガクンと落ちてしまいました。
葉は黄色くなり始めて冬支度の傾向を見せ、このまま11月に突入して今年のイチジクシーズンは終わりかという雰囲気になっていたようです。

10月後半の気温上昇による成熟再進行

しかししかし、今度は10月後半からの気温上昇(昼間気温20℃超)によりイチジクの成熟が再び進行。
出荷ができるような実がいくつもなってきました。

農家さんによっては一度閉めかけた直売所を急遽再開したところもあったそうです。

気温が保たれれば実をならせるイチジク
さすが、ハウスで通年出荷が可能と言われているほど実の熟し方が素直です。

来週以降はさすがに気温が11月らしく下がってくるようですから羽間イチジクの出荷は終わりになると思います。

来シーズンに向けての管理をしながら春を待つことになるでしょう。

葉が黄化し始めた時期の果実再成熟の影響は来年どうでるか?

ひとつ気がかりなのは、葉が黄色くなり落葉の準備をしているところに実がたくさん熟したことです。

落葉果樹は気温の低下とともに果実の成熟を止めて、葉が落ちるまでの間に光合成で作った養分を幹や根に蓄えて翌年の芽の養分とします。

果樹に表年・裏年があるのは、豊作の年は実の方へたくさん養分が回った結果、蓄える方に養分を回す量が減り、翌年の着果が少なくなることが要因のひとつとされています。

今年のイチジクは10月前半の低温により葉が黄色くなっている部分が結構あります。
葉の光合成能力が落ちているところに実の成熟が進んだため、蓄える方に回す養分が減ってしまうのではないかと(個人的に)懸念しています。

とはいえ、枝を伸ばしながら同時に実を成熟させていくという、一般的な果樹というよりかは、野菜(果菜類)のような性質を持つイチジクのことですから、どこまで影響があるのかはわかりません。

来シーズンも甘くておいしい実をたくさんならせてくれることを願うばかりです。

Yuki-Izumi

Yuki-Izumi

松山⇒東京&千葉埼玉⇒松山など色々なところを渡り歩きながらまんのう町という田舎町に流れつきました。
流れ着いた先の義実家は20数年前まで古くからの専業農家でしたが、先代の急逝によりほぼ途絶。その状況でありながら細々とイチジクの樹は受け継がれていたところでした。
休耕地の活用を目指して令和3年度香川県立農業大学校技術研修科修了。
令和4年度よりイチジクと野菜の生産・出荷を開始しています。
農業大学校では本当に多くのことを学べ、特に農薬防除や衛生管理の分野は多くの時間をかけて学ぶことができました。
基本を大切にし、『農家自身が食べる農作物を食卓へ』お届けいたします。

過去には不動産鑑定・仲介、税理士事務所を経て、1級FP事務所を松山城の麓で経営し、並行して経理代行の仕事を営んできました。
いずれ農業と今までの経歴を絡めていけたらと考えています。

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