はじめに

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令和3年4月より、私は妻の実家がある香川県まんのう町に住むことになりました。

これまでは愛媛県松山市にて松山城のお堀の向かい側で事務所経営をしておりましたが、生活拠点を移すにあたってそちらの事務所はたたむことにし、義実家の遊休農地を活用するため新たに農業分野へ取り組むことといたしました。

義実家は元々専業農家で、昔まんのう町辺りでも盛んだったタバコ栽培をはじめとして稲・麦、果樹、野菜など幅広く手掛けていたそうです。

それが先代の急逝により農業生産をやめざるを得なくなり二十数年、いまでは当時植えたばかりだったイチジクの樹と自宅付近の農地で義祖母が細々と農家を続けている状況でした。

私は松山などで不動産の評価や仲介、相続税の申告といった業務を行ってきましたから、元農家のご家庭が農地を管理しきれずに困ってしまったケースを幾度と見てきました。

都市部では相続税評価額にしても売買金額にしても額が大きいですし、活用するにしても周りが宅地化してしまって農地としての環境が悪くなって昔のようにいかないなど、元農家は様々なジレンマに直面しています。

では移り住んだこちらのまんのう町羽間地区はどうなのだろうかと見てみたところ、元々は人家もまばらな農村地帯だったのがじわじわと宅地化が進んできたようで、近年のバイパス開通により高松へのベッドタウン需要が高くなり宅地化の進展はさらにありえそうです。
一方で地区内の少子高齢化はかなり進行しているようです。農家の新たな担い手が少なく、遊休農地が増えつつあるようですが、まだ農業を営むには良好な農環境が維持されているように感じます。

ではうちの農地をどうしていくのかと考えたところ、せっかく代々引き継がれてきた大切な農地を宅地化させるのはどうかと思いますし(そもそも宅地として売れるような立地でもない)、かといってこれからも遊休農地のままでトラクター耕うんと草刈り、用水路ざらいだけして農地の体裁のみ維持するのも違和感を覚えました。

では「農業をやろう!」と思い立って未経験・無知のまま飛び込んでもいいものなのかというと、それは決して良いことではないと感じます。少なくとも周りに迷惑をかけることになると思います。
若ければそれも人生経験のうちに入るのでしょうけれど、妻子を持つ身としては慎重にならざるをえません。

こちらの地域はコミュニティがよく維持されていて、田畑に出て何か作業をしていると色々とお声がけをいただいて、ありがたいことに農作業へのアドバイスもたくさんいただけます。
ただ、こちらにも知識がなければ、その方のアドバイスが100%正しいのかどうか判断できません。
9割正しくても1割の勘違いがある助言をいただいて、その通りにやった結果、例えば誤った農薬を使ってしまいそのまま出荷してしまったとなると大問題となります。
それに自分自身に判断軸が無いまま相手の助言を聞いたとき、「本当にこれでよいのだろうか」と迷いながら作業することになり能率もあがりません。

このようなことから私は1年間農業大学校に通い、座学と現場実習を受けて農業に関する知識・経験、そして人脈を得てから農業分野へ進もうと考え、執筆日現在実行中です。

農業大学校へ通うという選択肢を取れたのは、香川県が新規就農相談センターを開設していて、ちょうどその年からweb相談会を開いてくださっていたからでした。

web相談会のおかげで私は松山にいながら香川県での就農について懇意な相談を受けることができました。
農業を取り巻く制度はなかなか複雑で、今まで役所相手の仕事をしていた私でも書面の資料だけでは理解に苦しむ内容がありました。
それがweb相談で多くの疑問点がクリアになったおかげで次へ進むことができました。
(どうもそのweb相談会は私が第一号だったみたいです。)
香川県の農業関係の職員の方は、農業学校でもそうですが懇意で熱心な方が多いですから、就農に迷っている方はweb相談会を利用なさるのが近道だと思います。

最後に、私がこれからどうしたいかといいますと、やはりまんのう町羽間といえば『いちじく』が挙がりますが、これは本当においしいです。このおいしいイチジクを自分でも栽培したいという気持ちが強いです。
また、イチジクだけでなく各種野菜の生産も視野にいれています。

こちらのブログでは、主に私が行っている農業活動について記述していきたいと考えています。
乱雑な文章となってしまうかもしれませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。

Yuki-Izumi

Yuki-Izumi

松山⇒東京&千葉埼玉⇒松山など色々なところを渡り歩きながらまんのう町という田舎町に流れつきました。
流れ着いた先の義実家は20数年前まで古くからの専業農家でしたが、先代の急逝によりほぼ途絶。その状況でありながら細々とイチジクの樹は受け継がれていたところでした。
休耕地の活用を目指して令和3年度香川県立農業大学校技術研修科修了。
令和4年度よりイチジクと野菜の生産・出荷を開始しています。
農業大学校では本当に多くのことを学べ、特に農薬防除や衛生管理の分野は多くの時間をかけて学ぶことができました。
基本を大切にし、『農家自身が食べる農作物を食卓へ』お届けいたします。

過去には不動産鑑定・仲介、税理士事務所を経て、1級FP事務所を松山城の麓で経営し、並行して経理代行の仕事を営んできました。
いずれ農業と今までの経歴を絡めていけたらと考えています。

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